企業の障害者雇用について

障害者の雇用については、「障害者雇用促進法」によってさまざまな規則が定められています。
障害者雇用促進法とは、障害がある方の職業の安定を図ることを目的とした法律です。
障害のある方に対して、職業生活における自立を実現するためのリハビリテーションの推進について、また事業主が障害者を雇用する義務などについて定められています。

この法律の中で、事業主にとって重要になるのが、障害者の法定雇用率です。
全ての事業主に対して、従業員数に対する雇用率で算出された人数の障害者を雇用することが義務付けられています。
この障害者の法定雇用率は、2021年時点で民間企業は2.3%となっており、従業員が43.5人以上いる企業に障害者雇用の義務があります。
また、国・地方公共団体は2.6%、都道府県等の教育委員会は2.5%となっています。

2020年の民間企業による障害者雇用については、雇用者数や雇用率ともに過去最高でしたが、法定雇用率を達成している企業は5割下回っているというのが現状です。

障害者の法定雇用率が未達成の企業は、不足人数に応じて納付金を納めなければなりません。
こちらは罰金ではないため納付しても義務はなくなりません。
未達成の状態であれば常に払い続けることとなります。
この納付金を財源として、雇用率を達成している企業には調整金・報奨金が支給されるという仕組みになっています。

事業主が障害者雇用にあたって、設備の整備や必要な介助をつける措置などを行った場合、内容に応じて以下のような各種助成金を受け取ることが可能です。

    • トライアル雇用助成金
    • 特定求職者雇用開発助成金
    • 障害者雇用安定助成金
    • 障害者介助等助成金
    • 重度障害者等通勤対策助成金  など

雇用義務を守らない場合には、納付金以外にも、ハローワークからの行政指導の対象となります。
指導を受けたにもかかわらず改善されない場合、最終的には企業名が公表されることとなっています。
現代社会では企業の社会的責任(CSR)などが注目されており、このような形で企業名が公表されてしまうと社会的な信頼性を失うことにつながってしまいます。

障害者雇用について、現場業務への対応や管理負担などの面で非常に難しく感じている企業もまだまだ多くあると思います。
ですが、障害者雇用を積極的に進める中で、社内環境の改善、企業価値の向上など、中長期的に多くのメリットも生まれます。
採用担当者様におきましても、まずは障害者について知ることが一歩となりますので、お悩みの際にはOpenGate Careersにお気軽にご相談ください。

まとめ
  • 民間企業の法定雇用率は2.3%で、従業員が43.5人以上いる企業に障害者雇用の義務があります。
  • 雇用義務を順守できていない企業には行政指導や企業名公表などのペナルティがあります。
  • 雇用に積極的な企業に対しては、条件に応じて助成金が支給されます。
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